BBSとは、Big Brothers and Sisters Movementの略で、
法務省の協力団体として少年少女に寄り添い、
立ち直りをサポートする青年ボランティア団体です。
わが国では、終戦直後、立命館専門学校(現・立命館大学)の学生であった
永田弘利氏(1926~)が、非行問題の対策会議が
開催されたとの新聞記事を読み、京都府に対して、
少年犯罪は少年の生活環境や友人に影響されるところが大きく、
健全な青少年こそが温かい愛の手を差しのべるべきではないかと
投書したことに端を発します。
永田氏の投書は、京都少年審判所(現・京都家庭裁判所)に回付され、
京都少年審判所に招かれた永田氏は、
所長の宇田川潤四郎氏及び徳武義氏から、わが国での
BBS運動立ち上げを提案されます。
永田氏の呼び掛けの下に集まった京都市内の学生達による、
京都少年審判所での日本最古のBBSの学生会議では、茨木市にある
浪速少年院で収穫されたお芋が振る舞われます。
と、そこへ見事なふかし芋の山が持ち込まれたのです。
当時の食糧事情では、どこにこんな見事なさつま芋があるのだろうかと、学生はどっと歓声を挙げ、荒塩のふりかけられた湯気の立つさつま芋の山は、たちまちみんなの笑顔を誘ったのでした。
宇田川先生(注・宇田川潤四郎氏)から、「このお芋は決して闇で手に入れたのではありません。今日の皆さんの会議のために、わざわざ茨木の少年院(注・浪速少年院)の畠から掘りたてを届けていただいたのです。遠慮なくぜーんぶ召し上がって下さい。」とすすめられ、それ以降の打合せ会には、毎回ふかし芋のサービスが恒例となりました。
ふかし芋のおかげで、ピーンと張りつめていた空気が急にやわらぎ、そこで私からこの運動の名称と、活動の方針を明らかにするための規約を作る必要があるのではないかと提案し、次回会合までにその案を作っておき、検討することを決めて散会しました。
(永田弘利(1988)「BBS運動の芽生え」『犯罪と非行』第76号、日立みらい財団)
幾度の話し合いを経て、昭和22(1947)年2月22日、龍谷学園京都女子専門学校
(現・京都女子大学)講堂にて、京都少年学生保護連盟(現・日本BBS連盟)が
創立されています。
現在、BBS活動は全国に広がり、約4700名の会員が活動しています。
茨木市の名産であるお芋がBBS運動立ち上げの気運を作り出した歴史。
折しも、平成27(2015)年4月には、BBS運動創始者である永田弘利氏を
生んだ立命館大学の2学部が茨木市内の新設キャンパスに移転します。
私達は、BBS運動に縁の深い茨木市を拠点に活動しています。
代表/柳本理佐
設立時期/昭和22(1947)年
会員数/24名
年会費/500円